Intellectual Property Firm
Procedures for patent, design and trademark right acquisition in Japan
Japan-Pantent.jp

制度の説明

制度の説明

特許について:

特許法では自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものを保護の対象とします。したがって、金融保険制度・課税方法などの人為的な取り決めや計算方法・暗号など自然法則の利用がないものは保護の対象とはなりません。また、技術的思想の創作ですから、発見そのものは保護の対象とはなりません。
保護対象はたとえば物・方法・プログラムであり、これらは新しいものであることが必要です。また発明は、高度のものである必要があり、従来技術を単に組み合わせたような、誰でも作れるものは特許されません。

特許は出願しなければ権利が認められません。また同じ発明については、先に出願した人に権利が与えられます。特許出願後、審査を経て登録されると特許権が発生します。物の発明の場合にはその物の生産、使用、販売などを独占的に行うことができます。
また特許権は財産権なので有償で譲渡が可能です。また、無体財産なので、同時に何人にでもライセンスが可能です。 特許権は日本国内のみでの権利です。外国で権利を得るためには各国ごとの権利取得が必要です。
特許取得までの流れは、特許庁の説明をご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_gaiyou/tokkyo1.htm

特許の要件

I.新規性

特許法第29条第1項
産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。

1)新規性のない発明を特許しない理由
特許制度の趣旨は発明の公開の代償として独占権を付与するものであるから、特許権が付与される発明は新規な発明でなければならない。
2)説明
@判断は出願時であり、出願の時分までも考慮します。
A公然知られた発明
「公然知られた発明」とは、不特定の者に秘密でないものとしてその内容が知られた発明をいいます。たとえ一人でも秘密保持義務のない人が知れば、公然知られたことになります。
B 公然実施をされた発明
「公然実施をされた発明」とは、その内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施をされた発明をいいます。 例えば、工場であるものの製造状況を不特定の者に見学させた場合において、その製造状況を見れば当業者がその発明の内容を容易に知ることができるような状況をいいます。また、例えば、工場であるものの製造状況を不特定の者に見学させた場合において、その製造状況を見た場合に製造工程の一部については装置の外部を見てもその内容を知ることができないものであり、しかも、その部分を知らなければその発明全体を知ることはできない状況で、見学者がその装置の内部を見ること、又は内部について工場の人に説明してもらうことが可能な状況(工場で拒否しない)も該当します。
C頒布された刊行物に記載された発明  
刊行物が不特定の者が見得るような状態におかれれば該当し、現実に誰かがその刊行物を見たという事実を必要としません。電気通信回線、主にインターネット上で公開をされた発明も含まれます。具体的な判断については特許庁ホームページの審査基準「インターネット等の情報の先行技術としての取り扱い」を参照してください。 

II.進歩性

特許法第29条第2項
特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項の新規性を有しない発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

1)進歩性のない発明を特許しない理由
通常の技術者が容易に発明をすることができたものについて特許権を付与することは、技術進歩に役立たないばかりでなく、かえってその妨げになるので、そのような発明を特許付与の対象から排除するため。
2)説明
@ 進歩性判断の基本的な考え方
(1) 進歩性の判断は、発明の属する技術分野の研究者であれば容易にできたという論理づけができるかどうかを判断して行います。
(2) 具体的には、1つの引用発明を選び、審査される発明と引用発明を対比して、両発明の一致点・相違点を明らかにし、この引用発明や他の引用発明(周知・慣用技術も含む)の内容及び技術常識から、進歩性の存在を否定し得る論理づけを考える。 例えば、請求項に係る発明が、引用発明からの最適材料の選択あるいは設計変更や単なる寄せ集めに該当するかどうか検討したり、あるいは、引用発明の内容に動機づけとなり得るものがあるかどうかを検討する。また、引用発明と比較した有利な効果が明細書等の記載から明確に把握される場合には、進歩性の存在を肯定的に推認するのに役立つ事実として、これを参酌する。  その結果、論理づけができた場合は請求項に係る発明の進歩性は否定され、論理づけができない場合は進歩性は否定されない。
3)進歩性のない発明の例
最適材料の選択・設計変更
単なる寄せ集め
単なる置換・転用
単なる用途の変更または限定
4)引用発明を参考にするための動機づけとなり得るもの
@技術分野の関連性
A課題の共通性
B作用、機能の共通性
なお、発明により得られた予想外の効果、および商業的な成功は進歩性を判断する上で参考にされます。
III.産業上の利用性を有すること、および先願であることがさらに必要とされます。

実用新案について:

実用新案での保護の対象は、「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」に限られる点で特許制度での保護の対象と異なります。例えば、方法は実用新案登録の対象とはなりません。
実用新案の出願があった時は、その実用新案の出願が必要事項の不記載などにより無効にされた場合を除き、実用新案権の設定の登録をします。登録になると特許権と同様の権利が発生します。新会社に対する権利行使に際しては、特許庁から技術評価書を取得し、これを提示することが必要です。
実用新案取得までの流れは、特許庁の説明をご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_gaiyou/jituyo.htm

商標について:

商標での保護の対象は、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡する者がその商品について使用するもの、又は業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するものです。したがって、においや味、テーマソングのような音は保護の対象とはなりません。

商標は、識別力があること、他人の登録と類似していないこと、他人の有名な商標と類似してないこと、および国内外に問わず他人の有名な商標、又はこれに類似しないことが登録のための要件となります。

登録になると、登録された商標を指定商品・役務について独占的に使用でき、また登録商標に類似する商標の使用を禁止することができます。
商標権取得までの流れは、特許庁の説明をご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_gaiyou/shouhyo.htm

商標の役割:

商標の機能と商標法の目的
たとえば、コカコーラのマークを見れば、誰でも、コカコーラ社が製造したものとわかります(これを商標の「出所識別機能」と呼びます)。また、コカコーラの製品であれば、一定の高い品質が期待できますし(「品質保証機能」)、やがてはそのブランド名自体が売上でに貢献する「宣伝広告機能」をもつようになります。ですから、コカコーラ社とは関係のない第三者が製造した偽物をコカコーラとして売り出せば、コカコーラ社の信用だけでなく、購入者の利益も害されます。このような事態を防ぐため、商標法で商標を保護しています。

商標とは 文字、図形、記号、立体的形状やこれらの組合せ、これに色彩を加えたマークで、事業者が「商品」または「役務」について使用するものをいいます。
「商品」とは有体物のほか、無体物であっても、その経済的価値が社会に承認され、独立して取引の対象とされる場合には、これに含まれます。たとえば、コンピュータ・プログラム等の電子情報財は「商品」に含まれます。また「役務」とはサービスを指します。これも独立して商取引の対象となるものでなければなりません。
また平成19年4月1日から、小売業、卸売業の方々が使用するマークをサービスマーク(役務商標)として保護する制度がスタートしました。    

商標登録出願は、その商標の使用をする1または2以上の商品・役務を指定して、商標ごとにしなければなりません。(一商標一出願の原則)が、この指定は同一の区分に属する必要はなく、多区分にわたって指定できます(一出願多区分制度)。
商標の登録要件
I.商標がある事業者の商品・役務を他の事業者の商品・役務と識別する「自他商品・役務識別力」を有することが必要です。  
登録されない商標の例としては、以下があげられます。
a)その商品・役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標;たとえば、塩について「波の花」、箸について「おてもと」
b)その商品・役務について慣用されている商標;たとえば「清酒」について「正宗」、「餅菓子」について「羽二重餅」
c)その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む)、価格もしくは生産もしくは使用の方法もしくは時期、またはその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格もしくは提供の方法もしくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標;たとえば、菓子に「阿寒湖」、そばに「信濃の国」
d)極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標;たとえば「一本の直線」、「円輪郭」、「球」、「円柱」、「1」、「A」
e)その他のもので識別力のない商標;たとえば単なるスローガンなど  ただし、上記に該当する商標であっても、使用の結果、需要者がどの会社の業務にかかる商品・役務であるかを認識できるにいたったものについては、商標登録を受けられる場合があります。

II.商標法第4条で定める不登録事由(消極的登録要件)に該当しないことが必要です。 不登録事由は、公益保護の趣旨のものと、私益保護の趣旨のものに分けることができます。 公益保護規定の具体例としては、国の威信、国際機関の権威の保持などの趣旨から定められたものです。「WTO」、「WIPO」などがあります。
都道府県や国立大学を表示する標章など、「征露丸」、「特許大学」がこれにあたるとした判例があります。 また私益保護規定として、他人の商品・役務との出所混同が生じる商標も登録されません。

III.先願の登録商標と「類似」する商標を、その指定商品・役務に「類似」する商品・役務に使用するものは、登録が認められません。  
商標の類似とは 商標の類似とは、対比される両商標権が、同一・類似の商品・役務に使用されたとき、商品・役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがあることをいいます。この類似の判断は、その商品・役務の平均的な取引者、需要者の通常の注意力を基準に判断されます。

類似の態様
商標の類似の態様としては、外観類似、観念類似、称呼類似という3つの態様があげられます。
外観類似とは、2つの対比される商標の文字、図形、記号などを視覚で観察したときに類似していることです。たとえば「テイオン」と「ライオン」、「キミス」と「キスミ」などがこれにあたるとされています。
観念類似とは、2つの商標のもっている意味が類似していることです。たとえば、「キング」と「王」、「巨人」と「ジャイアント」などがこれにあたるとされています。
称呼類似とは、商標の呼び名・呼び方が類似していることです。たとえば「栴檀」/「せんだん」と「尖端」/「せんたん」、「ヘルパミン」と「ヘルパチン」などがこれにあたるとされています。

観察方法
商標の類似を判断する観察方法には、つぎのようなものがあります。
【対比観察と離隔観察】対比観察とは、同一の時・場所で対比しながら2つの商標を観察する方法で、離隔観察とは、時・場所を異にして2つの商標を対比する方法です。
【全体観察と要部観察】全体観察とは、商標の全体を観察して商標の類否を判断する方法で、要部観察とは、商標のなかで識別力のある部分を抜き出して商標の類否を判断する方法です。

類似の判断基準
商標の類否は、前記の観察手法で、取引者、需要者を基準に、外観、観念、称呼のいずれかにおいて類似しているかどうかから判断するのが原則です。 しかし、商標法の目的は出所の混同防止にありますから、たとえ商標の外観、観念、称呼のいずれかが類似していても、取引の実情や商標の著名、周知性などから判断して、出所の誤認混同を生ずるおそれがないときには、類似していないと判断される場合があります。最近の裁判例も、取引の実情における出所混同のおそれを重視する傾向にあります。
商品・役務の類似 商品・役務の類似とは、同一・類似の商標をつけた場合、取引の実情などから判断して需要者、取引者に、出所の混同を生じさせるおそれがあることをいいます。また、商品と役務との類似関係(たとえば、「コーヒー豆」という商品と「コーヒーを主とする飲食物の提供」という役務)も認められます。なお、出願の際の商品・役務の区分は商品・役務の類似の範囲を決めるものではありませんが、特許庁は審査基準で定めた商品・役務の区分で類否判断を行います。

意匠について:

意匠での保護の対象は、物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせるものです。また、画面デザイン(物品の本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要となる操作に使用される画像)は物品の部分の形状、模様、若しくは色彩又はこれらの結合に含まれ保護の対象となりますが、物品の外観に現れないような構造的機能は保護の対象となりません。
意匠法は、美感の面から創作を把握し、これを保護しようとする点で特許および実用新案と異なっています。
意匠は、新しい物であることと、創作が容易でないことが登録のための要件となります。
登録になると、登録された意匠をその物品について独占的に使用することができます。

意匠権取得までの流れは、特許庁の説明をご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_gaiyou/ishou.htm

必要な費用について:

出願およびその後の手続きには、特許庁に支払う印紙代が必要な場合があります。
印紙代については、特許庁のHPをご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/ryoukin/hyou.htm
 
弁理士費用としては、以下が必要です。
  ・手数料:出願書類の作成、および出願作業に対する費用です。
 ・謝 金:出願が登録された場合の弁理士報酬です。
 ・実 費:交通費、コピー代などです。
出願内容、出願件数などにより費用は変わります。
打ち合わせの後にお見積もりをいたします。

外国出願の場合には、出願国数、翻訳言語の種類および数により費用が大きく変わります。

外国出願について

特許を外国に出願する場合には、日本で出願した後に1年以内に各国ごとに出願を行うか、またはPCT制度を利用して日本の特許庁にPCT出願をすることが一般的です。 PCT制度は、特許出願の手続面および審査面で国際間が統一した取り扱いを行うようにした国際特許出願のことです。

手続の流れ

国際出願
出願人は、所定の受理官庁(わが国では日本国特許庁または世界知的所有権機関の国際事務局)に対して、1つの言語(わが国では日本語または英語)で、国際出願ができます。 所定の要件を満たしていることが確認されると、PCTの全締約国において、国内出願したのと同じ効果が与えられます。
国際調査
受理官庁は、国際出願の1通(受理官庁用写し)を保持し、1通(記録原本)を国際事務局に送り、他の1通(調査用写し)を国際調査機関に送ります。国際調査機関は、特許文献を中心にしたいわゆる「PCT最小限資料」を対象に先行技術を調査し、発見した文献名を国際調査報告書に掲載して、出願人および国際事務局に送付します。  日本の特許庁に国際出願をした場合には、一般的には日本特許庁が国際調査を行います。
国際公開
国際事務局は、優先日(出願日または優先権主張日のいずれか早いほう)から18カ月経過すると、国際出願の内容などを公開します。
国際予備審査
出願人が希望すれば、国際予備審査を請求することができます。 国際予備審査の間に出願は請求の範囲および明細書の補正をすることが出来ます。
国内段階への移行
出願人が各国での権利取得を希望する場合には、優先日から30か月以内(EPは31ヶ月、その他延期できる国もあります)に、指定国に翻訳文の提出をし、国内手数料を支払うなど、その指定国の国内段階へ移行するのに必要な手続をします。 それ以降は、各国の制度にしたがって審査が進められます。 したがって、PCTを利用する場合には、パリ条約上の優先権を利用して最初の出願から12か月以内に第二国に出願する場合よりも、意思決定が18カ月伸ばせるという利点があります。また、その間に公開された他人の出願を検討することにより、出願の特許の可能性をより正確に判断することができます。

マドリッド商標出願について:

制度趣旨
複数の国で商標権を取得するには、各国の手続にしたがって個別に出願しなければならないのが原則ですが、国際的な経済活動を行なう企業にとっては、複数国に対して一括して商標権を取得・管理できる制度があれば便利です。 このような目的の条約として、「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書」(マドリッド・プロトコル。以下「マドプロ」)があります。
経緯
1989年、「マドプロ」が締約され、わが国も1999年に批准し、特許庁では、2000年3月から、「マドプロ」に基づく国際登録出願の受付を開始しました。
制度の概要
「マドプロ」は、出願人が本国の商標登録または商標登録出願を基礎として、商標権を取得したい国(指定国)を明示して、世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局に国際出願をして国際登録を受けることにより、その指定国でも商標の保護を受けることができる、という制度です。 その手続の概略はつぎのとおりです。
国際出願
出願人は、本国官庁にした商標の国内出願または登録を基礎として、本国官庁を通じて、国際事務局に商標の国際出願をします。国際出願の言語は英語または仏語です。
国際事務局での手続
国際事務局は、方式審査した後、国際登録し、これを国際公表します。 つぎに国際事務局は、国際登録した旨を指定国の官庁に通報します。
指定国官庁での手続
指定国の官庁は、国際登録された出願の保護を拒絶する場合には、国際登録した旨の通報通報の日から12カ月または18カ月以内にその旨を国際事務局に通報します。この拒絶の通報がなければ、その商標が国際登録日から指定国の官庁に登録されていた場合と同じ効果が生じます。
セントラルアタック
国際登録日から5年以内に、本国における基礎出願が拒絶されたり、基礎登録が無効・取消になった場合などには、国際登録も取り消されます。その際、救済措置として、指定国において国際登録を国内出願へと変更できます。
存続期間・更新
国際登録の存続期間は国際登録日から10年ですが、更新できます。
マドリッド商標出願の最大のメリット
この商標国際登録制度を利用すれば、登録しようとする各国の代理人に、原則として依頼する必要がなく、それだけ費用が大幅に軽減されることです。したがって、今後はマドリッド商標出願が多くなるものと思われます。ただし、指定官庁において拒絶の通報がなされると、指定官庁に対する手続きは現地代理人を通して行うことになりますので、費用は従来と同じ程度となります。